(写真&文=鈴木秀樹)
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1回戦〇11対5海老名ダックスズ(海老名)
2回戦〇5対0座間パイレーツ(座間)
準々決〇7対0野川レッドパワーズ(川崎)
準決勝〇9対5戸塚アイアンボンドス(横浜)
決 勝〇5対3清水ヶ丘ジャイアンツ(横浜)
同地区ライバル下し神奈川の頂点に

県大会のベスト4に残ったのは、同じ横浜代表ばかり4チーム。準決勝では優勝候補の一角、戸塚アイアンボンドスを下し、決勝では昨秋の新人戦で神奈川No.1になり、関東王者にもなった清水ヶ丘ジャイアンツを下した。
同じ横浜で活動する昨年の県大会王者・川和シャークスも、一昨年王者で全国ベスト8入りした平戸イーグルスも、この大会には出られていない。それほど今年は、横浜が激戦だったのだ。ちなみに、横浜予選の優勝は清水ヶ丘、準優勝は戸塚だった。
「準決勝で当たった戸塚さんはこれまで毎年、何度も戦ってきましたが、勝ち越せた年がないんです」

渡邉監督が振り返る。
そんな対戦成績なら、選手たちや、チーム全体にも苦手意識がありそうなものだが…。
「それが不思議と、ないんですね。監督としては、知っている相手だからこそやりづらいといった感覚があるんですが、選手たちは逆に、完全に開き直っているというか。『それなら強気で行ってこい!』と」
とにかくポジティブ。ベンチの中でも常に笑顔を見せているのは、渡邉監督その人かもしれない。1977年創部、49年目のシーズンを戦うチームの指揮を執って5年目。大きな声と、大きな身振り手振りで選手たちを励まし続ける。
「チームの方針ですか…。特別なことはないですよ。『全力疾走』と『全力発声』ですかねぇ…。『声では日本一になろうぜ』とはいつも、言ってますね」
準決勝では、その戸塚に初回、4失点と大量リードを許しながら追いつき、タイブレークの末に勝利を収め、雰囲気は最高潮に。続く清水ヶ丘との決勝では、先手を奪う形で優位に試合を進め、ついに頂点に立ち、全国大会への切符を手にしたのだった。
「日本一の声」で全国を沸かせ

今年のチームで攻撃の核になるのは、古川泰輔と橋元涼の一、二番コンビ。「きっかけにもなってくれるし、長打力も足もある。大会では、2人で得点してくれるケースも多かったです」と渡邉監督も信頼を寄せる。
県大会最終日も、準決勝の戸塚戦では古川が3安打で橋元が2安打、決勝の清水ヶ丘戦では古川が2安打、橋元が3安打と、期待通りの活躍で優勝に大きく貢献した。
「シングルヒットでも、フォアボールでも塁に出る。橋元君と2人で点が取れたらベスト、と思って打席に入っています」と古川、「古川君が打つと、ボクも打てる気がするんです。彼が一塁にいれば右方向に、二塁にいればセーフティーもある。チャンスを広げるのが自分の役割だと思っています」と橋元。お互いに対する信頼感もゆるぎない。


この2人がけん引する打線は、「どこかで1本(ヒットが)出ると、それをきっかけによくつながるんですよね」と渡邉監督が説明する。
「勢いに乗ると強いので、先制できればそれに越したことはないんですが、相手に先制されても、そこまで苦にはしません。どこかできっかけをつかみ、得点してくれる。県大会ではそんな感じでしたね」
常ににぎやかな南瀬谷ベンチ。その元気が打線の起爆剤になっているのか、あるいは逆に、1本のヒットが次につながることで、ベンチに活気をもたらしているのか。
まだ見ぬ全国大会では「とにかく目の前の1試合を全力で、全員で戦うだけです」と渡邉監督は語る。一番の武器は、もちろん「日本一の声」だ。
新ルールも気にならない投手育成

投手陣の充実も特筆すべきだろう。
今年から、全国大会では新たに「ひとり1週間210球」の新たな投球数制限が規則として加わるが、「ピッチャーの育成と起用については、この210球ルールが話題になる前から、とにかくひとりの投手に過度な負担がかからないように、と心がけているんです」と渡邉監督は語る。
「シーズン中は練習試合も含めて、土日の週末2日間、続けて試合が組まれることも多いんですけど、その2日間でも、連投はさせないようにしています。土曜に投げたピッチャーは、日曜には投げさせないようにしているんです」

県大会最終日に投げたのは村瀬嘉泰主将と音村星茶、馬場壮輝、古川の4人。決勝では2回、ピンチでマウンドに上がり、ピシャリと抑えて清水ヶ丘に傾きかけた流れを食い止めた、音村の堂々たる投球が光った。
「4人のほかに船田(虎太郎)も先発を任せられます。その5人は、5年生のときから経験を積んできました」。選手ファーストの投手育成により、結果的に、新ルールを苦にしない5人体制がすでに出来上がっているのだ。

全国大会は初めてとなるが、これまでも東京新聞旗、専修大学杯などの県大会では優勝経験がある。前述のとおり激戦の横浜で、市小学生野球連盟が主催するYBBL大会では8度の優勝を果たしている強豪だ。
「神奈川の代表として、気持ちで負けないような試合ができたらと思います」と渡邉監督は気合を込める。
初めての大舞台にも臆することなく、持ち前のけれん味ない戦いを披露してくれるはずだ。

【県大会登録メンバー】
※背番号、学年、名前
⑩6 村瀬 嘉泰
①6 音村 星茶
②6 山尾 燈汰
③6 船田虎太郎
④6 橋元 涼
⑤6 馬場 壮輝
⑥6 古川 泰輔
⑦6 上坂 佑太
⑧6 井村 琉
⑨6 小野寺 啓
⑪5 福田 陽悠
⑫5 福田 晴悠
⑬5 青柳 優志
⑭5 大本 愛斗
⑮5 濱田 虎我
⑯5 永野 颯人
⑰5 谷地田瑞基